EHT、VLBI,ブラックホールシャドウ

昨夜の報道によると、国立天文台など世界の約80の研究機関による国際チームが、ブラックホールの撮影に初めて成功したと発表しました。あわせて、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)によって撮影された超大質量ブラックホールが公開されました。EHTは、超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometry: VLBI)という仕組みを用いています。VLBIは世界中に散らばる望遠鏡を同期させ、地球の自転を利用することで、地球サイズの望遠鏡を構成する仕組みです。今回VLBIにより、EHTは例えるなら、月面に置いたゴルフボールが見えるほどの極めて高い解像度を実現できたそうです。ブラックホールの重力によって光が曲げられたり捕まえられたりすることで、ブラックホールシャドウが生まれます。ブラックホールの質量が大きいほど、シャドウも大きくなります。巨大ブラックホールは、名に反して非常にコンパクトな天体です。そのため、これまで直接観測することは不可能だったそうです。今回撮影されたブラックホールシャドウは、地球から約5500万光年先にある「おとめ座銀河団」の「M87」の中心に位置しているブラックホールが作り出したものです。「M87」は直径約12万光年の中に、数兆個の星と約13000個もの球状星団を含む巨大な楕円銀河です。なお今年は、一般相対性理論が歴史的な実験によって初めて実証されてから100年の節目の年に当たり、3年前に重力波が観測されて以来アインシュタインの一般相対性理論を裏付ける結果となったことはすばらいことだと思います。さらに宇宙研究が進むことが期待されます。